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会長の部屋

随想録

2019年04月26日

海外生活での思い出(サウジアラビア編-その3)

サウジの空港では、入国審査で酒類は没収される。その酒だが、どうも入手するルートがあるようだった。人気のない場所で、こっそりと飲んでいるとのこと。「おいおい、そんなことして良いのか?」というと、顔の前で手を左右に振って「問題ない」という仕草。それなりのポジションにいる人物なのに・・・、と思ったものだ。


話は変わるが、この海岸線の場所で毎日夕陽を見ていて思ったことがある。目の前の海の名は、Red sea(紅海)と呼ばれている。命名の由縁は知らないが、その場所から見ていると海が真っ赤になって行く。ほとんど毎日快晴であるがゆえに、夕陽が落ちる時は決まって海面が真っ赤に変容する。正にRed sea。そこで勝手に想像したこと『イスラムの聖地メッカは西海岸にあり、そこから見る海は夕暮れ時に真っ赤に変容 = 赤い海』と。そんな壮大な風景を見ることができたのは得した感じだ。

私が現場に行った主なミッションは、煙突からの煙を消すということ。それって何?と思われるだろう。セメントは色々な原料を使うのだが、その中に塩素分が多く含まれていたのだ。この塩素の結晶が煙として煙突からモクモクと出ていたということ。この塩素結晶体は比重がとても軽いため、それを取り除くことにはかなりの困難を伴うのだ。設備設計では、排ガスを電気集塵機という電気的にガス中の浮遊物を取り除く方法であった。通常はこれでほぼ完全に集塵できるが、比重がとても軽い塩素粉には効果がなかった。そこで、当該設備を納入した専門メーカーとの議論が始まった。メーカーはドイツのE社。しかも、私は機械の専門家ではあり電気についてはあまり知識がない。だが、このミッションを解決しなければならないので、即席であるが電気集塵機の理論を勉強し、そのままドイツに乗り込んでいった。E社では、エンジニアとの喧々諤々の議論をし、何とか彼らをサウジの現場に引っ張り出すことができた。そして、そこから煙との対決が始まった。

・・・続く

有田 信二郎