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会長の部屋

活動日記

随想録

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2020年07月06日

物理的距離と心の距離

コロナ禍がまだまだ続いている中、ソーシャルディスタンスを取りながらの社会活動の動きが始まっている。一般論としてはもっともなことではあるが、ちょっと知って欲しいことがある。障害のある方々の中には、現在の状況の中で多くの苦労や困難さがある人たちもおられる。例えば、視覚障害により外出移動にガイドヘルパーを利用されている方々。彼らはヘルパーさんの肩や肘に手を当てて一緒に行動しておられるので、物理的距離の確保は困難となる。重度知的障害がゆえにマスクができない人もいる。また、感覚過敏でマスクの着用に困難さのある人も。マスクに関しては、聴覚障害のある人にも困り感があるようだ。彼らは、手話以外にも口の動きを読み取ってコミュニケーションを図っているが、その口元をマスクが隠してしまい、意思疎通に困難さが増したようだ。まだまだ表には現れてこないたくさんの困り感もあると思う。コロナは、今まで築いてきた方法論を根底から覆しているのかも知れないが、Withコロナの時代においては、新たな方策を構築してゆく必要があるのだろう。

報道等を見ていると、少しギスギスした人間関係を感じてしまう。だからこそ『心の距離』を意識し、物理的距離を補ってゆくことが肝要なのだと思う。コロナ禍が今後の薬の開発や医療進歩により解消されるのか、あるいは巷で言われているように新しい生活様式が必須となってゆくのかは解らないが、一般論だけでなく多様な人たちがいることを意識し、知ることから始まる新たなスタイルを本会としても考えてゆきたいと思う。

有田 信二郎