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会長の部屋

活動日記

随想録

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2019年09月19日

院内学級

宇部総合支援学校に院内学級という学びの場がある。先日、機会あって見学することができた。場所は、山口宇部医療センター内に設置されており、現在16名の人達が学んでおられた。最初に見学したS.Aさん(高等部)はちょうど誕生日だったとのことで、教員のみならず医療センターのスタッフの方々が手作りの飾りを持ってみんなでハッピーバースデイの歌を歌い、お祝いをした。私も一緒に参加させていただいたが、S.Aさんは喜びを体で表現されているように感じた。また当日は体調も良いとのことで、ベッドから車椅子に移動し、ナースステーション前の広い廊下で、車椅子を右に左に動かしてもらいながら、嬉しそうであった。次にS.Rさん(中学部)、教員の手作り教材で光や色、振動等を体全体で感じておられた。小学部のH.Kさんはもうすぐ60歳とのことだった。彼が子供の頃は、就学免除ということで教育を受ける機会がなく、やっと学びの場に入れたということで、勉強をとても楽しんでおられた。他にもたくさんの方々が、自分に合った形と勉強内容で学んでおられ、それに携わっておられる教員の方々の熱意もひしひしと伝わってきた。最後に、大きな広間で運動会が行われた。参加者は4人のみであったが、ラジオ体操の後、威勢の良い音楽に乗っての玉入れ、笑顔が弾けていた。ただ、帰り際にお一人おひとりに挨拶した時、寂しそうにされていたのがちょっと辛かった。
院内学級の生徒さん達(高齢の方もおられる)は、確かに最重度の障害はあるが、たくさんのサポートを受けながら、自分の人生を生き抜いておられる、それを感じたひと時だった。

有田 信二郎